読み手に届く!レビューブログの記事の書き方


ここ数年、レビューブログレビューアフィリエイトが花盛りで、レビューブロガーと呼ばれている人たちがたくさんいます。私自身がレビューブロガーか?というと、自分でもよくわからないのですが、商品レビューはたくさん書いています。

私は自分で購入して気に入ったもののレビューを書く以外にも、ECサイトさんからブログレビュー用にモニターとして商品をご提供いただくことも多く、それなりに本数は書いていると思います。今回は、そんな私がレビューを書くときに意識していること、気を付けていることなどを書いてみたいと思います。

(※レビューブログ=アフィリエイトだと思っているわけではく、あくまでアフィリエイトの手法のひとつとしてレビューをやりたいという方向けの記事です。レビューを書いているけれどあまり成果がでていない・・・という方のヒントになればと思って書いています。)

 

モニター・レビューする商品は選ぼう

ブログ運営を続けて、レビュー記事を書いていると、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)から商品モニターの打診が届くようになります。要するに、「ブログにレビュー書いてくれるなら、商材送ります。」ってことですね。

アフィリエイトの収入が少ないときには、レビューのネタにそんなにお金を使えない人が多いと思います。なので、こういう商材提供がブロガー/レビュアーにとってとてもありがたいということはよくわかります。主婦的にも「無料でコスメがもらえるなんてウレシイ」ですしね。

アフィリエイトを始めたばかりの私もそんな感じで、相手の期待にも応えたくて、できる限り引き受けていました。基本的には、打診の内容を見て、「自分に書けそうな商品か、自分のサイト/ブログにマッチする商品か」を考えて受けるわけですが、ASPによってはいきなり段ボール箱いっぱいのコスメを送ってきて、「気に入ったのがあれば書いて下さいね」ということも何度もありました。

でも、コスメブロガーさんがよく言う言葉なのですが、どれだけ商品をもらっても、顔はひとつしかないんです。そんなに何種類もの化粧水なんて使えません・・・。

自分の媒体や、自分の文章に価値を感じてくれるのは嬉しいけれど、受ければ受けるほど、一つ一つのレビューに対する愛情とか熱量とかが下がっていくのを自覚して、私は受けるレビューを厳選するようになりました。

生意気かもしれませんが、固定費がついていても、ピンと来なければ受けない。ほかの人と横並びの記事しか書けないなら受けない。そう決めました。(報酬額が無関係とは言いませんが、報酬額だけに振り回されると、直感が鈍ると思います。)

「声をかけてくれるASPスタッフさんに悪いな。」「あのECさんにはお世話になっているから・・・」そういう感情は消せなくても、その商品のレビューを書いて、自分のブログにアップして、それで読者に何を届けられるのかまで考えて、受ける・受けないを決めるといいのではないかと思います。

目先のことにとらわれて、自分の媒体(サイト/ブログ)を安売りするのはあまりにももったいないことです。

レビューの締切に追われて消耗している気がしている人、車輪を回しているハムスターのような気分で、これを続けてどこにいけるんだろう?と疑問を感じている人、いったんリセットをしてみると、本当に自分が書きたいことが見えてくるかもしれませんよ。

 

 

読み手にそのモノのある生活をイメージさせよう

レビューブログでよく見かけるのが、

1. ○○という商品を買いました/モニターさせてもらいました

2. 写真付きで、使ってみた感想(長所・短所)を丁寧にレビュー

3. そういうわけで、この商品はこんな人におすすめです

というスタイル。(はい、私も書きますよ・・・。)

全然悪くはないし、このスタイルを採っていても、文章や切り口次第でレビューはいくらでも魅力的になる(可能性を持っている)と思います。

ですが、そこからもう一歩進んで、「どういう人がこの記事を読むのか」を考え、「その商品を購入することで、どんな体験や生活の変化を享受できるのか」まで考えると、レビューは単なる商品紹介の域を超えることができます。

例えば、食器洗浄機。わが家も使っていますが、あれは便利な家電ですよね。

食器洗浄機をブログで紹介するとして、「○○○という食器洗浄機を買いました、これこれこういう機能がついていて、ほかの食洗器にはない□□という特徴があり、とても便利です。家事の時短になるし、手荒れも減ったし、買って良かった!」的なレビュー記事は、悪くはありませんが、正直そそられません。そういうレビューはネット上にいっぱい存在しているから、そもそも読んでもらえる可能性も低いでしょう。

そこから抜けるためには、「売りたい欲」にはフタをして、読み手をコントロールしようという気持ちをいったん脇に置くこと。

「どういう人がこの記事を読むのか」を想像し、「読み手にそのモノのある生活をイメージさせる」ことを意識して書くことを心がけると、文章が変わってきます。

「食器洗浄機っていいですよ。」は書き手が言いたいことであって、読み手が思っていることは違います。例えば、「毎日汚れた食器が山盛りの流しを見るとげんなりする」「夕食後家族がテレビを見ながら団らんしているのに、私だけがキッチンでお皿を洗い続けていることにガマンできない」「夫婦のどちらがお皿を洗うかでケンカになる」「お皿を手洗いする代わりに家電に頼るなんて、甘えや怠惰みたいでイヤだ」。

そういう読み手の悩みやニーズをすくいとって、共感してもらえる出だしで文章を始めると、そのまま最後まで読んでもらえる可能性が高くなると思います。

今、相手にとって切実なこと、身近なことは何かを考え、自分がこれから書こうとすることとの接点を考える。相手にとって切実・身近な話題から入って、次第に自分が書きたいことに話を持っていく。

(『伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)』(山田ズーニー著)より引用)

読み手の悩みや欲求に寄り添う文章を書く、そして、その商品を買うことで(所有することで)読み手の悩みを解消したり、欲求を叶えたりできうるのかを提示すると、単なる商品紹介にならず、価値を与えるコンテンツになりえます。

人は食洗器が欲しくて食洗器を買うのではなく、夕食後に家族全員でこたつを囲みたいから食洗器を買うのかもしれません。新作のワンピースが素敵だから欲しいのではなく、旦那さんや彼氏にかわいいと思ってもらいたいから買うのかもしれません。

モノそのものではなく、その前にある思い、そのモノを手に入れた先にあるイメージを伝えられる文章を書いてみませんか。

(※さらに現実的なことを書くと、そうした文章は、紹介している商品がなくなってもコンテンツとしての存在価値を失わず、広告の張り替えも高い確率で可能です。) 


書き手の存在感を出そう

アフィリエイトをするのに書き手の個性(キャラクター)をどこまで出すかは戦略による部分もあるので、「これが正解!」というものはない前提での話ですが、個人的には、レビューブログは書き手の「その人らしさ」が出ているものが好きです。

文体もそうですが、視点とか、言葉の選び方。もっと言うと、行間から匂い立つような「その人らしさ」が存在する文章に、私は心惹かれます。その人の文章を別の媒体で読んだとしても「あぁ、この人の文章だ!」とわかるのが最高ですね。

ブロガーやレビューライターは小説家ではありません。文章に最低限の読みやすさは必要ですが、別に芸術性は必要ないと思っていますし、多少文章が稚拙でも、伝わってくるメッセージがしっかりしていれば別に構わないとおもっています。

私が文章を書くとき、「私」と言う書き手の存在感を出すために心がけていることは、保険を掛け過ぎない(予防線を張りすぎない)ことです。

ある程度長くネット上に文章を書き続けていると、想定外の受け取り方をされたり、批判や非難を受けることがあります。そういう経験を重ねると、攻撃されたくない意識が働き、文章が無難に・凡庸になっていきます。

さじ加減が難しいところですが、当たり障りのない文章は、魅力も少ないのです。万人に好かれようとするのはやめて、自分らしく素直にのびのび、心の中から出てくる感情をのせて書いた文章が、結局のところ一番いいんじゃないかなと思うのです。(言葉に感情をのせるためには、何度も自分自身に問いかける必要があると思っています。)

100人の人間がいたとして、全員に私の文章を好きになってもらうことは不可能だし、目指そうとも思わないけれど、その中の10人、いや5人でも、私の文章を大好きと思ってくれる人・共感してくれる人がいたら、それでいいと思っています。

読み手に届く文章を書くこと。想いを伝え、読み手の気持を動かすこと。簡単なことではないけれど、「届いた」「通じた」「相手を揺さぶれた」という手ごたえを知ってしまうと、書くことをやめられなくなります。

 

▼少し古い本で、別にレビューブロガーのための本ではありませんが、伝わる文章の書き方に悩んでいる人にはおすすめの一冊です。

 

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